自作の基礎 (更新:2026-07-30)

OCCTで自作PCの安定性テストを行う7原則|CPU・GPU・電源テストの順番と判断基準

組み立て直後・OC変更後・グリス塗り替え後の自作PCが「本当に安定しているか」はOCCTで確かめます。CPU(Linpack)→GPU(3D/VRAM)→Power(CPU+GPU同時)の順に各15〜30分ずつ回し、温度・エラー・電圧の3点で合否を判断する完全ガイド。副業PCのつけっぱなし運用を守る安定性保証の7原則を解説します。推測ASIN・推測URLは不使用。

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HWiNFO64でCPU温度を監視し、ファンカーブを詰めグリスを塗り替えた——それで「フル負荷をかけても落ちないか」確認していますか?結論から言うと、OCCT(無料)を使ってCPU(Linpack)→GPU(3D)→Power(CPU+GPU同時)の順に各15〜30分ずつテストすれば、普段使いでは気づけない不安定要因を事前に炙り出せますMundoBytes)。副業PCのつけっぱなし運用では「翌朝落ちてた」で気づくのでは遅すぎます。OCCTは「組んだ直後・OC変更後・グリス塗り替え後」の3タイミングで回す最安の安全確認です。

この記事の要点

  • OCCTはHWiNFO64の一段上——HWiNFO64は「今何℃か」を見るツール。OCCTは「フル負荷をかけても落ちないか」を確認するストレステスト
  • テストの順番はCPU→GPU→Power——1テストずつ分離して実施することで、問題の原因を絞り込みやすい
  • CPUはLinpackを15〜30分が初期チェックの目安——LinpackはCPUの演算回路を限界まで使うため、冷却不足・電圧不足が最も早く炙り出される
  • Powerテスト(CPU+GPU同時)は電源ユニットの急所——CPU+GPUが同時に最大負荷になる状況は通常使用では再現しにくい。電圧降下・不安定な電源はここで発覚する
  • 温度95℃超え・エラーグラフ赤・BSOD——この3つが出たら即停止
  • 推測ASIN・推測URLは不使用

1. OCCTとは——HWiNFO64との関係

OCCTは「OverClock Checking Tool」の略で、もともとオーバークロック検証ツールとして開発されました。現在は定格動作のPCでも「組み立て後の初期不良チェック」「クーラー換装後の冷却確認」「電源ユニットの負荷テスト」に広く使われています。個人利用は無料で、公式サイト(occt.io)からダウンロードできます(EveZone)。

2. テスト前の準備——この3点を先に確認する

OCCTテスト前の確認リスト
評価項目
確認項目
内容
理由
HWiNFO64の同時起動 HWiNFO64を「Sensors Only」で起動し、CPU温度・GPU温度が見える状態にしておく OCCTのテスト中にリアルタイムで温度推移を監視するため
アイドル時の温度確認 テスト開始前にCPUが40〜50℃以下になっていることを確認する すでにアイドル時から高温な場合は、テスト前に原因(グリス・ファン・ケーブル干渉)を解決する
電源設定を高パフォーマンスに Windowsの電源プランを「高パフォーマンス」または「バランス(UEFI最適)」に変更する 省電力モードのままだとCPUが意図的にクロックを落とし、正確な最大負荷テストにならない
不要なアプリを閉じる ブラウザ・Office・バックグラウンドアプリを終了させる テスト中の負荷を純粋にOCCTの負荷だけにするため
テスト中は目を離さない 最初の数分は画面を注視する 急激な温度上昇・BSOD・フリーズが出たらすぐ手動で停止できるようにしておく

3. STEP1——CPUテスト(Linpack・推奨15〜30分)

OCCTの最もきつい負荷テストがLinpackです。LinpackはHPCスパコンのベンチマーク手法を応用した演算で、CPUの浮動小数点演算回路(FPU)を100%近く使い続けます。通常の動画変換やコンパイルより格段に重く、冷却不足や電圧マージン不足が最短時間で炙り出されます(みらいよっちゃん)。

テスト手順

  1. OCCTを起動し、左メニューから「CPU」を選択
  2. テストモードを「Linpack」に変更(デフォルトは「OCCT」——LinpackよりやさしいのでLinpackを推奨)
  3. 「Data Set Size」は「Large(AVX2有効CPUなら推奨)」または「Small」を選択
  4. Duration(テスト時間)を15〜30分に設定
  5. 「STARTボタン」を押してテスト開始
  6. HWiNFO64でCPU温度・ファン回転数を確認しながら待機

判定基準

  • 合格:テスト終了まで温度85℃未満、エラーグラフに赤線なし
  • 要確認:85〜94℃の範囲で推移(冷却改善を検討)
  • 即停止:95℃超え・エラー検出・BSOD

4. STEP2——GPUテスト(3D・VRAM・推奨20〜30分)

GPUテストはOCCTがGPUに3Dレンダリング処理を投げ続け、グラフィックドライバーの安定性・VRAM温度・GPU温度を確認します。VRAMテストはGPUメモリの読み書きエラーを検出するため、「ゲーム中に画面が乱れる・突然落ちる」という症状の原因特定にも使えます(PROTOCOL.LAIN)。

テスト手順

  1. OCCTの左メニューから「GPU」を選択
  2. テストモードは「3D Standard」(通常チェック向け)を選択
  3. Duration(テスト時間)を20〜30分に設定
  4. VRAM使用率は「80%」前後に設定(デフォルト設定のままでも可)
  5. 「STARTボタン」を押してテスト開始
GPUテストモードの使い分け
評価項目
モード
負荷の性質
使う場面
3D Standard 3Dグラフィック処理でGPUコアとVRAMを同時に負荷 最初のGPU安定性チェック・クーラー交換後の温度確認
VRAM GPUメモリへの集中的な読み書き。エラー検出に特化 ゲーム中の画面乱れ・ブラックアウトの原因調査・OC後のVRAM安定性検証

5. STEP3——Powerテスト(CPU+GPU同時・推奨30分)

PowerテストはCPUとGPUに同時に最大負荷をかけ、電源ユニット(PSU)の電圧安定性を確認する最も過酷なテストです。CPUが単独でピーク電力を使いながら、同時にGPUも高負荷状態になる状況は、通常使用ではほとんど発生しません。しかしOCCTはその状況を意図的に作り出し、電圧が安定しているかをグラフで記録します(MundoBytes)。

テスト手順

  1. OCCTの左メニューから「Power」を選択
  2. Duration(テスト時間)を30分に設定
  3. 「STARTボタン」を押してテスト開始
  4. OCCTのモニタリングタブで「+12V電圧」の数値推移を確認する(HWiNFO64のCore Voltageも同時確認)
Powerテスト中の電圧判定基準
評価項目
電圧値(+12Vライン)
判定
対処
11.88V〜12.12V(±1%以内) 正常 問題なし
11.64V〜11.87V(±3%以内) 許容範囲(やや低め) 容量に余裕のある電源への換装を検討
11.63V以下(±3%超え) 要注意・電圧降下が発生している 電源ユニットの容量不足または経年劣化。換装を強く推奨
テスト中にPCが落ちる・再起動する 電源ユニット容量不足または故障の疑い より大容量の電源(現在+200W以上の余裕があるもの)への換装

6. テスト結果の総合判定——3点で合否を判断する

OCCT安定性テスト 合否判定の3基準
評価項目
確認項目
合格(安定)
要注意
即対処が必要
温度(CPU) 85℃未満で安定推移 85〜94℃で推移(冷却強化を検討) 95℃超が10秒以上継続
温度(GPU) 85℃未満で安定推移(VRAMは100℃以下) 85〜94℃で推移(エアフロー改善を検討) 95℃超が継続・VRAMジャンクション110℃超が継続
エラーグラフ テスト終了まで赤線なし 1〜2件の散発的な検出(再テストで再現しない) 複数のエラーが継続して検出される
電圧(+12V) ±1%以内(11.88〜12.12V) ±1〜3%の範囲(11.64〜11.87V) ±3%超え・テスト中にシステム停止

7. 落とし穴——やりがちな5つのミス

落とし穴① LinpackをいきなりAVXモードで長時間回す

LinpackにはAVX命令セットを使う「Large Data Set」モードがあり、CPUの発熱が通常の1.5〜2倍になります。クーラーが十分でない状態でAVXフル負荷を長時間かけると、サーマルスロットリングが起きてテスト結果が不正確になります。最初は「Small Data Set」または「OCCTモード」から始め、温度を確認してから段階的に上げるのが正解です(EveZone)。

落とし穴② エラーゼロ=絶対安全ではない

OCCTのLinpack 15分でエラーがなくても、実際の使用で落ちることがあります。特にメモリのXMP/EXPOを有効化している場合は、OCCTとは別にMemTest86やTestMem5でメモリ単体の安定性を確認することを推奨します。OCCTはあくまで「明らかな不安定を短時間で発見するツール」です。

落とし穴③ テスト時間を1分〜5分で終わらせる

「とりあえず起動して数秒見た」だけでは意味がありません。CPUが温まるまでに数分、安定した高負荷状態になるまでさらに数分かかります。最低15分は継続しないと、熱飽和後の「本当の高温域」が見えません。

落とし穴④ GPUテストをVRAMモードだけで済ませる

VRAMモードはGPUメモリのエラー検出に特化しており、GPUコア温度・GPU消費電力・ドライバー安定性のチェックには3D Standardが必要です。「画面が乱れる」なら3D Standard→VRAMの順で両方試してください。

落とし穴⑤ Powerテストを省略する

「CPUテストとGPUテストが通ったから大丈夫」とPowerテストをスキップするケースがありますが、CPUとGPUが同時に最大負荷になる状況はPowerテストでしか確認できません。特に電源容量が余裕なく選定されている場合や、GPU換装後は必ずPowerテストを実施してください。

8. 在宅×副業PCでの実践——いつOCCTを回すか

副業PCの場合、「組んだ直後に1回、グリス塗り替えのたびに1回」という習慣が最低限の安全保証です。在宅勤務中につけっぱなしにする24h常時稼働設計のPCなら、組み立てから半年〜1年後に再テストして経年変化(グリス硬化・ファン劣化)を確認するのも有効です。

OCCT 安定性テスト 7原則

  1. テストの順番はCPU→GPU→Powerの3ステップ——分離して実施することで原因を絞り込む
  2. OCCTテスト中はHWiNFO64を同時起動する——温度のリアルタイム確認が必須
  3. CPUはLinpackモードを15〜30分——OCCTモードより負荷が高く、不安定を早期に炙り出す
  4. GPUは3D Standardを20〜30分、症状があればVRAMも追加——モードの使い分けが原因特定を早める
  5. Powerテストは省略しない——CPU+GPU同時負荷は通常使用では発生しにくく、電源の弱点がここで出る
  6. 95℃超え・エラーグラフ赤・BSOD——この3つが出たら即STOPして原因特定
  7. テスト合格は絶対安全ではなく「明らかな問題がない」という確認——長期OC検証はMemTest86やさらに長時間のテストと組み合わせる

よくある質問

Q. OCCTは有料ですか?

個人利用は無料です。公式サイト(occt.io)からダウンロードできます。一部の高度な機能(詳細レポート・商用利用)は有料版に含まれますが、安定性テストの全機能は無料で使えます。

Q. OCCTとCinebench R23の違いは何ですか?

Cinebench R23はCPU性能のスコアを測定するベンチマークツールで、スコア比較が目的です。テスト時間は10分程度で、長時間の連続負荷には向いていません。OCCTは「性能の数値」ではなく「安定して動き続けるか」を長時間確認するためのツールです。用途が異なります(みらいよっちゃん)。

Q. テスト中に画面が黒くなったら故障ですか?

すぐに故障とは断定できません。GPUドライバーのクラッシュ(ドライバー再起動で数秒黒くなる)・サーマルスロットリング・OCCTの測定エラーの可能性があります。まず温度を確認し、85℃以内ならDDUでドライバーをクリーン再導入してから再テストしてください。複数回再現するなら本格的な切り分けが必要です。

Q. テスト中にPCが再起動した場合の対処は?

再起動した場合は①電源容量が足りているか確認(電源容量計算)、②電源ケーブルの接触確認、③CPU・GPUの温度が正常値内だったか確認、の順で切り分けてください。温度は正常・容量も足りているのに落ちる場合は電源ユニット自体の経年劣化が疑われます。

Q. XMP/EXPOを有効化しているPCでOCCTを回すとき注意点は?

XMP/EXPOはメモリを定格オーバーで動かすため、OCCTのLinpackでメモリ絡みのエラーが出やすくなります。OCCTとは別にMemTest86かTestMem5(anta777 10サイクル以上)でメモリ単体の安定性を確認してから、OCCTのCPU・GPU・Powerテストを実施するのが正しい順番です。

まとめ

OCCTは「HWiNFO64で温度を見る」の一段上——組んだPCがフル負荷でも落ちないかを数値で確認する最後の安全確認です。テストの順番はCPU(Linpack・15〜30分)→GPU(3D・20〜30分)→Power(30分)の3ステップ。判定基準は「CPU/GPU 85℃未満・エラーグラフ赤なし・+12V電圧±1%以内」の3点を満たすかどうか。

副業PCのつけっぱなし運用を守る最安の保険は、組んだ直後とグリス塗り替えのたびにOCCTを1回回す習慣です。冷却改善の効果を確認するならHWiNFO64でCSVログを取りながらOCCTを回し、変更前後の温度を数値で比較してください。安定した副業環境は、数値で確認した安心から作られます。

出典・参考情報